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犬・猫のストレスサイン|あくび・舌なめずり・そっぽ向きの意味

公開日:2026/06/24 更新日:2026/07/03 健康サイン
犬・猫のストレスサイン|あくび・舌なめずり・そっぽ向きの意味

体は元気そうなのに、なんだか落ち着かない。 やたらと体をなめている。 近づくと、ふいっと顔をそむける。

具合が悪いわけじゃない。 でも、何かいつもと違う。 そのちょっとした違和感は、あの子の心からのサインかもしれません。 今日は、しぐさから読みとる「心の調子」の話を。

体だけじゃなく、心も「いつもと違う」を出す

このシリーズでは、体の変化の話をたくさんしてきました。 体重、ごはん、水、トイレ。 どれも、体調を知るための大切な手がかりです。

でも、あの子たちが抱えるのは、体の不調だけではありません。 心の負担、つまりストレスも、ちゃんと感じています。

人間と同じで、犬や猫も、不安になったり、緊張したり、落ち着かなくなったりします。 ただ、それを言葉で「つらい」とは言えない。 だから、しぐさや行動という形で、外に出してくるのです。

そして、ここが大事なところ。 心のストレスは、放っておくと体の不調につながることもあります。 だから、心のサインに気づくことは、体を守ることにもつながる。 ストレスサインを読みとる目は、その子の健康全体を支える目でもあるのです。

見過ごされやすい、小さなストレスサイン

ストレスのサインは、わかりやすい形ばかりではありません。 むしろ、見過ごしやすいものが多いのです。 いくつか、知っておきたいしぐさを紹介します。

まず、犬によく見られるもの。 状況に合わないあくび。 眠くもないのに、何度もあくびをする。 これは、気持ちを落ち着けようとするサインのことがあります。

鼻や口のまわりを、ぺろりとなめる舌なめずり。 食べ物もないのに、しきりに舌を出す。 これも、緊張や戸惑いの表れであることがあります。

体をブルブルッと振る。 濡れてもいないのに、急に体を震わせる。 これは、張りつめた気持ちをリセットしようとするしぐさだと言われます。

そして、視線をそらす、顔をそむける。 これは「あなたと敵対する気はないよ」という、気持ちを和らげようとするサインのことがあります。

猫の場合も、いろいろなサインがあります。 過剰なグルーミング。 同じところばかり、しつこくなめ続ける。 これは、落ち着かない気持ちを紛らわせている可能性があります。

しっぽを激しく振る、床に打ちつける。 犬と違って、猫のしっぱのこの動きは、いらだちや不快のサインのことが多い。

隠れて出てこない、高いところから降りてこない。 食欲が落ちる、トイレ以外で粗相をする。 こうした行動の変化も、心の負担を表していることがあります。

どれも、一つだけで「ストレスだ」と決めつけるものではありません。 でも、こうしたサインが重なったり、続いたりするときは、心が何かを訴えているのかもしれない、と見てあげたいのです。

大事なのは「この子にとって、いつもと違うか」

ここでも、いちばんの手がかりは、その子の「ふだん」です。

あくびも、舌なめずりも、体を振るのも、それ自体はごく普通のしぐさです。 問題は、それが「いつもより多い」「この場面で出るのは変だ」というとき。

たとえば、ふだんは穏やかな子が、来客のときだけそわそわする。 ふだんよく遊ぶ子が、最近あまり遊ばなくなった。 ふだんべったり甘えてくる子が、急に距離をとるようになった。

こうした「その子なりの変化」こそが、心のサインです。 よその子と比べるのではなく、昨日までのその子と比べる。 そこに、気づきのカギがあります。

だから、ふだんのその子がどんな様子か、知っておくことが効いてきます。 どんなときに落ち着いて、どんなときにそわそわするのか。 その基準があるから、変化に気づけるのです。

何が、あの子の心を揺らすのか

ストレスサインに気づいたら、次に考えたいのが「きっかけ」です。 何があの子の心を揺らしているのか。

よくあるのが、環境の変化です。 引っ越し、模様替え、新しい家族やペットが増えた。 生活リズムが変わった、留守番が増えた。 こうした変化は、私たちが思う以上に、あの子の心に響きます。

音も、大きな要因です。 雷、花火、工事の音、掃除機。 人には平気でも、あの子には怖くてたまらない音があります。

退屈や運動不足も、ストレスになります。 特に活発な子は、エネルギーを発散できないと、心がもやもやしてしまう。

そして、体の不調が、心の不安として表れることもあります。 どこかが痛い、気持ち悪い。 それがそわそわや元気のなさになって出てくる。 だから「ストレスかな」と思っても、体の不調が隠れていないか、頭の片隅に置いておきたいのです。

きっかけがわかれば、対処も見えてきます。 苦手な音のときは安心できる場所を用意する、環境の変化はゆっくり慣らす、退屈には遊びや運動を。 原因に合わせて、できることがあります。

記録すると、「きっかけ」が見えてくる

ストレスのサインとそのきっかけ。 この二つを結びつけるのに、記録がとても役立ちます。

その場では「たまたまかな」と思ったことも、記録して並べてみると、パターンが見えてくることがあります。 「そういえば、毎週この曜日にそわそわしてる。あ、これゴミ収集車の音だ」 「来客のあった日は、いつも食欲が落ちてる」 「模様替えしてから、隠れる時間が増えた」

こうした結びつきは、その場の記憶だけでは、なかなか気づけません。 点として残しておいて、後で見返すからこそ、線としてのパターンが浮かび上がる。

そして、このパターンの発見は、対処の第一歩になります。 原因がわかれば、その状況を避けたり、和らげたりできる。 記録は、あの子の心を守るための、地図のような役割を果たしてくれます。

気になるときは、専門家を頼って

ひとつ、大切なことを。 ストレスのサインに見えても、その裏に体の不調が隠れていることがあります。

たとえば、しつこく体をなめるのは、ストレスのこともあれば、皮膚のかゆみや痛みのこともある。 急に元気がなくなったのは、心の問題のようでいて、体のどこかが悪いのかもしれない。

だから、サインが続くとき、ふだんと明らかに違うときは、自己判断せず、かかりつけの先生に相談してください。 そのとき、いつから、どんなときに、どんな様子だったか、という記録があれば、先生も状況を把握しやすくなります。

心のことも、体のことも、専門家の力を借りていい。 ひとりで抱え込まず、頼れるところは頼る。 それが、あの子にとっても、あなたにとっても、いちばん安心できる道です。

今日からできる、小さな一歩

今日、あの子のしぐさを、少しだけ意識して見てみてください。 リラックスしているとき、どんな様子か。 そわそわするのは、どんなときか。

そして「あれ、いつもと違うかも」と思ったら、その状況とサインを、ひとことメモしておく。 何があって、どんなしぐさが出たか。 それを続けると、あの子の心のクセや、苦手なものが見えてきます。

私たちが「もふ手帳」をつくったのも、そんな思いからでした。 気づいたしぐさや、そのときの状況をぽちっと残しておくだけで、その子の「ふだん」をそっと覚えていてくれて、心の「いつもと違う」にも気づく手助けをしてくれる。 後で見返せば、何がきっかけだったかも見えてきます。 記録はずっと無料で、肩の力を抜いて続けられます。

道具に頼らなくても、メモでもいい。 大事なのは、体だけでなく、心のサインにも目を向けること。 言葉を持たないあの子の、声にならない声を聞いてあげること。 それが、あの子の毎日を、もっと安心できるものにしてくれます。

なお、ここで触れたしぐさは、あくまで心の調子を考えるきっかけです。 気になる様子が続くときは、体の不調の可能性も含めて、かかりつけの先生に相談してくださいね。

「もふ手帳」は、犬と猫の毎日を10秒で記録できるWebサービスです。体調・ごはん・体重の記録が「いつもと違う」への気づきになり、その子だけの一冊の本になっていきます。記録は無料・何頭でも登録できます。

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この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬・愛猫に気になる症状があるときは、かかりつけの動物病院にご相談ください。