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犬・猫の「黄疸・白目・歯茎の色」|粘膜の色でわかる体の異変サイン

公開日:2026/07/23 更新日:2026/07/23 健康サイン
犬・猫の「黄疸・白目・歯茎の色」|粘膜の色でわかる体の異変サイン

「色」が語りかけてくること

その子の顔をじっと見つめたとき、あなたはどこを見ていますか。目の輝き、耳の向き、ひげの角度——たくさんの情報がそこにあります。でも、意外と見落とされがちなのが「粘膜の色」です。

歯茎、白目、舌の裏、まぶたの内側。こうした粘膜は、血液の状態や酸素の巡り、肝臓や心臓の働きを、言葉なしに教えてくれる「体の窓」です。毎日なんとなく眺めているようで、実は正常な色を知らないまま過ごしている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

この記事では、犬・猫の粘膜の色が示す健康サインを、わかりやすく丁寧にご紹介します。難しい医学の話ではなく、「今日から確認できること」を一緒に見ていきましょう。

まず知っておきたい「正常な色」

健康な犬・猫の歯茎や口腔粘膜は、ほんのりピンク色をしています。人間の歯茎に近いイメージで、血色が感じられるやわらかな色合いです。白目(強膜)は白く、充血や黄みがかっていない状態が正常です。

確認のコツは、指で軽く歯茎を押してみること。押した部分が白くなり、指を離してから2秒以内にピンク色に戻れば、毛細血管への血流が正常なサインです。これを「毛細血管再充填時間(CRT)チェック」といいます。動物病院でも行われる基本的な確認方法のひとつです。

ただし、犬・猫によっては口腔内にもともと黒い色素が沈着していることがあります。チャウチャウやシャーペイなどは舌や歯茎が黒っぽい品種として知られています。その子の「普段の色」を知っておくことが、変化に気づく第一歩になります。

こんな色が見えたら要注意

粘膜の色の変化は、体の内側で何かが起きているサインかもしれません。以下のような変化が見られたときは、注意が必要です。

- 白っぽい・青白い(蒼白)
貧血や内出血、ショック状態のときに見られることがあります。急激に白くなった場合は、特に緊急性が高い可能性があります。

- 黄色みがかっている(黄疸)
白目や歯茎が黄色く見えるとき、肝臓・胆嚢・膵臓などの異常や、赤血球が壊れる溶血性の問題が疑われることがあります。皮膚の薄い部分(耳の内側など)も黄色く見えることがあります。

- 青紫色(チアノーゼ)
酸素が十分に行き渡っていないサインで、心臓や肺に関わる深刻な問題のときに見られることがあります。舌や歯茎が紫がかっているときは、早急な対応が必要です。

- 鮮やかな赤・レンガ色
一酸化炭素中毒や、ある種の中毒症状で見られることがあります。

- 灰色・土色
循環不全や重篤な状態のときに見られることがあります。

これらの変化は、単独で判断するのではなく、その子の全体的な様子(ぐったりしている、呼吸が荒い、食欲がないなど)と合わせて観察することが大切です。

白目の黄ばみ「黄疸」を見逃さないために

黄疸は、犬・猫ともに比較的気づきやすいサインのひとつです。白目が黄色くなるほか、皮膚の薄い部分(耳の内側、お腹の毛の薄いところ)も黄みがかって見えることがあります。

黄疸が起きるのは、体内でビリルビンという色素が過剰になるためです。肝臓の病気、胆管の詰まり、溶血性貧血など、さまざまな原因が考えられます。黄疸自体は「症状」であって「病名」ではないため、原因を調べることが重要です。

猫は特に、急激な食欲不振が続くと肝臓に脂肪が蓄積する「肝リピドーシス」という状態になりやすく、黄疸が現れることがあります。「最近あまり食べていないな」と感じていたところに白目の黄ばみが加わったら、早めにかかりつけの獣医師へ相談することをおすすめします。

「いつもの色」を知るための習慣づくり

変化に気づくためには、正常な状態を知っていることが何より大切です。でも、毎日の生活の中で意識的に粘膜を確認している飼い主さんは、まだ多くありません。

おすすめは、スキンシップのついでに確認すること。撫でながら口元に触れ、歯茎の色をさっと確認する。目を覗き込んで、白目に黄みがないか見る。これだけで十分です。

特別な道具も、長い時間も必要ありません。その子が嫌がらないよう、ご褒美と組み合わせながら、「触られることへの慣れ」も同時に育てていけると理想的です。

もふ手帳では、こうした日々の観察メモを気軽に残せます。「今日の歯茎の色、いつもより白っぽい気がした」という小さな気づきも、記録しておくことで受診時の大切な情報になります。

受診の目安:こんなときはすぐに

粘膜の色の変化は、緊急度の高いサインであることが少なくありません。以下のような状態が見られたときは、様子を見ずに早めに動物病院へ連絡することをおすすめします。

  • 歯茎や舌が青紫色・灰色になっている
  • 白目や歯茎が急に白くなった
  • 白目や皮膚が黄色く見える
  • 上記の変化に加えて、ぐったりしている・呼吸が苦しそう・意識がもうろうとしているなどの症状がある

「なんか変な気がするけど、大げさかな」と思ったときこそ、かかりつけの先生に相談してみてください。電話で状況を伝えるだけでも、緊急性の判断を一緒にしてもらえます。

色の変化は、写真や動画で記録しておくと受診時に非常に役立ちます。スマホで撮った一枚が、診察室での説明をぐっとスムーズにしてくれます。

猫特有の注意点:口を開けさせるのが難しいときは

犬に比べて、猫は口を開けさせることを嫌がる子が多いかもしれません。そんなときは、無理に口を開けようとせず、白目の色耳の内側の皮膚を観察するところから始めてみましょう。

普段からおやつを使いながら「口元に触れる練習」を少しずつ重ねておくと、いざというときにも確認しやすくなります。また、定期的な動物病院での健康診断で、プロに粘膜の状態を確認してもらうことも大切な習慣のひとつです。

猫は不調を隠す傾向があると言われます。だからこそ、飼い主さんの「いつもと違う」という感覚が、早期発見の大きな力になります。

今日からできる、小さな一歩

今日、その子を撫でるとき、ほんの少しだけ口元に触れてみてください。歯茎の色を確認して、「今日はいつものピンク色だな」と心の中でつぶやくだけでOKです。それが習慣になれば、変化に気づける目が育っていきます。

もう一つ、白目の色も一緒に確認してみましょう。目を覗き込んで「今日も白くてきれいだね」と声をかける。その小さなやりとりが、その子との信頼をつなぎながら、健康を守る観察習慣になっていきます。

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この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬・愛猫に気になる症状があるときは、かかりつけの動物病院にご相談ください。