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犬・猫の「心拍・脈拍」を知る|平常時に触れておくだけで変化に気づける

公開日:2026/07/25 更新日:2026/07/25 健康サイン
犬・猫の「心拍・脈拍」を知る|平常時に触れておくだけで変化に気づける

心臓の音が、その子の「今」を教えてくれる

愛犬や愛猫をそっと抱きしめたとき、胸のあたりに感じる小さな鼓動。あの規則正しいリズムは、その子が今元気に生きているしるしです。でも、「いつもより速い気がする」「なんだか弱い感じがする」と思ったとき、あなたはその子の「ふだんの心拍」を知っていますか?

心拍数や脈拍は、体温や体重と同じように、体調を映す大切なバロメーターです。特別な道具がなくても、手のひら一枚あれば確認できる。そして何より、平常時の数値を知っておくことが、変化に気づく第一歩になります。

この記事では、犬と猫の心拍・脈拍の正常範囲、おうちでの測り方、そして「これは受診すべき?」の目安を、温かく、でも丁寧にお伝えします。

犬・猫の「正常な心拍数」はどのくらい?

まず知っておきたいのが、犬と猫では正常な心拍数の目安が異なること、そして同じ犬でも体の大きさによって変わることです。

犬の目安(安静時)
- 小型犬:1分間に90〜120回程度
- 中型犬:70〜100回程度
- 大型犬:60〜90回程度

猫の目安(安静時)
- 1分間に120〜180回程度

猫は犬よりも心拍が速いのが特徴です。また、子犬・子猫の時期は成犬・成猫よりもさらに速い傾向があります。

これらはあくまで一般的な目安であり、その子の体質や年齢、測るときの状況によっても変わります。大切なのは「一般的な数値」よりも、その子自身のふだんの数値を知ること。それが、変化に気づく土台になります。

おうちでできる!心拍・脈拍の測り方

難しく考えなくて大丈夫です。リラックスしているときに、ゆっくり試してみてください。

【心拍の測り方】

犬や猫の胸の左側、前足の少し後ろあたりに手のひらをそっと当てると、心臓の鼓動を感じることができます。ドキドキという拍動を15秒数えて、4倍にすると1分間の心拍数になります。

【脈拍の測り方】

後ろ足の付け根の内側(鼠径部)に指を軽く当てると、大腿動脈の脈を感じられます。こちらも同様に15秒数えて4倍にします。

測るときのコツ
- 食後すぐや運動直後は避け、安静にしているときに測る
- 測定中は静かに、その子が落ち着いている状態をキープする
- 最初はうまく感じられなくても大丈夫。何度かやるうちに感覚がつかめてきます
- 慣れてきたら週に1〜2回、同じ時間帯に測ると比較しやすくなります

最初は難しく感じるかもしれませんが、その子をなでながら「あ、ここかな」と探す時間そのものが、ふれあいの時間にもなります。

「速すぎる・遅すぎる」はどのくらい?

安静時に測った心拍数が、明らかに目安の範囲を外れているとき、あるいは「いつもより速い・遅い」と感じるときは、体が何かを訴えているサインかもしれません。

心拍が速くなりやすいとき
- 興奮・緊張・恐怖を感じているとき
- 運動した直後
- 発熱しているとき
- 痛みを感じているとき
- 心臓や呼吸器に何らかの問題があるとき

心拍が遅くなりやすいとき
- 深いリラックス状態(特に大型犬)
- 低体温のとき
- 心臓の電気的な問題があるとき

大切なのは、「速い・遅い」だけでなく、リズムが不規則に感じられるときも注意が必要だということ。トン・トン・トン……と規則正しく刻まれているはずの鼓動が、「トン・トン……トトン・トン」のように乱れて感じられる場合は、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。

こんなときは受診の目安に

心拍・脈拍の変化だけで病気を判断することはできません。ただ、以下のような変化が重なるときは、早めに動物病院に連絡することを検討してください。

  • 安静時でも明らかに心拍が速い・遅い状態が続いている
  • 脈のリズムが不規則に感じられる
  • 呼吸が速い・苦しそう・口を開けて呼吸している
  • 歯茎や舌の色が白っぽい・青みがかっている
  • ぐったりしている、立ち上がれない
  • 失神や意識を失うような様子がある
  • 食欲がなく、元気もない状態が続いている

これらの症状が複数重なる場合は、様子を見ずに早めの受診を。特に呼吸困難や意識の変化を伴う場合は、緊急性が高い可能性があります。

心拍を「知っておく」ことの意味

おうちで心拍を測ることには、もうひとつ大切な意味があります。それは、動物病院での診察をより実りあるものにできるということです。

「先生、なんとなくいつもより速い気がして……」という言葉よりも、「安静時にいつも80回前後なのですが、今日測ったら120回ありました」と伝えられると、獣医師も状況を把握しやすくなります。

もふ手帳のような記録ツールに、測った日時と心拍数をメモしておくと、変化の流れが一目でわかり、受診時の大きな助けになります。

特にシニア期に入った子や、心臓病・呼吸器疾患の診断を受けている子は、定期的な記録が通院の質を高めてくれます。

脈の「強さ・弱さ」も観察のヒントに

心拍数だけでなく、脈の「強さ」にも目を向けてみてください。

後ろ足の付け根に指を当てたとき、しっかりとした脈が感じられるか。それとも弱々しく、なんとなく頼りない感じがするか。

脈が弱く感じられるときは、血圧の低下や循環の問題が起きている可能性があります。反対に、脈が強く、ドクドクと力強すぎるときも、高血圧などのサインになることがあります。

もちろん、素人判断で病気を決めることはできません。ただ、「なんか今日の脈、いつもと違う気がする」という感覚を大切にしてほしいのです。その「なんか違う」が、早期発見のきっかけになることは少なくありません。

測ること自体が、ふれあいになる

心拍を測るために手を当てる。脈を探して指先を添える。その時間、その子はあなたのぬくもりを感じています。

「検査」と構えなくていいんです。なでながら、ちょっと耳を澄ませる。胸に手を当てて、「今日も元気に動いてるね」と確認する。それだけでいい。

毎日触れているからこそ、「あれ、今日はなんか違う」に気づける。その積み重ねが、その子を守る力になります。

今日からできる、小さな一歩

今夜、その子がうとうとしているとき、そっと胸に手を当ててみてください。15秒、鼓動を数えてみる。それだけでいいんです。

数えた数字は、スマホのメモでも、もふ手帳でも、どこかに残しておきましょう。「今日の夜、安静時に〇〇回」という小さな記録が、いつかその子を助ける情報になります。

最初はうまく感じられなくても大丈夫。続けるうちに、その子の「ふつう」がわかってきます。そしてその「ふつう」を知っていることが、変化に気づく、いちばんの近道です。

「もふ手帳」は、犬と猫の毎日を10秒で記録できるWebサービスです。体調・ごはん・体重の記録が「いつもと違う」への気づきになり、その子だけの一冊の本になっていきます。記録は無料・何頭でも登録できます。

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この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬・愛猫に気になる症状があるときは、かかりつけの動物病院にご相談ください。