ホームコラム › 犬・猫の耳のトラブル早期発見|においや頭振りで気…

犬・猫の耳のトラブル早期発見|においや頭振りで気づく異変のサイン

公開日:2026/07/04 更新日:2026/07/04 健康サイン
犬・猫の耳のトラブル早期発見|においや頭振りで気づく異変のサイン

耳のトラブルは、気づきにくいからこそ早めに

その子が後ろ足で耳のあたりをかいていたり、頭をぶんぶんと振っていたり。そんな仕草を見たことはありませんか?

犬や猫の耳は、皮膚や被毛に隠れていることが多く、外から見えにくい分、トラブルが起きていても気づくのが遅れがちです。でも実は、毎日のちょっとした観察で「あれ、なんかいつもと違う」と早めにキャッチできることがたくさんあります。

耳の問題は放置すると悪化しやすく、慢性化してしまうこともあります。だからこそ、「なんとなく気になる」という感覚を大切にしてあげてほしいのです。

犬と猫、耳の構造の違いを知っておこう

犬の耳は、垂れ耳(ミニチュアダックスフンドやビーグルなど)と立ち耳(柴犬や豆柴など)の2タイプに大きく分かれます。垂れ耳の子は耳の中が蒸れやすく、通気性が悪いため、耳のトラブルが起きやすい傾向があります。

猫は基本的に立ち耳の子が多いですが、スコティッシュフォールドのような折れ耳の子は、耳の中の環境が独特で注意が必要です。

どちらも耳道(耳の穴の奥)はL字型に曲がっていて、人間の耳とは構造が異なります。奥まで自分で確認するのは難しいため、表面から見えるサインを日頃からチェックしておくことがとても大切です。

こんなサインが出たら要注意

耳のトラブルは、行動や見た目にさまざまなサインとして現れます。以下のような様子が見られたら、注意して観察してみてください。

  • 頭をよく振る:耳の中に違和感があるとき、その子は頭を振って不快感を取り除こうとします。
  • 後ろ足で耳をかく:かゆみや痛みを感じているサインです。かきすぎると耳の周りに傷ができることも。
  • 耳を床や壁にこすりつける:違和感を解消しようとしている行動です。
  • 耳を触られるのを嫌がる:普段は触れる場所なのに急に嫌がるようになったら、痛みや炎症が起きている可能性があります。
  • 頭を傾けたまま歩く(斜頸):片側の耳に問題があるとき、その方向に頭が傾くことがあります。
  • 耳から異臭がする:健康な耳にはほとんどにおいがありません。甘酸っぱいにおいや、発酵したような強いにおいがする場合は異変のサインです。
  • 耳の中が黒っぽい・茶色い汚れが多い:少量の汚れは正常ですが、量が多かったり、色が濃かったりするときは注意が必要です。
  • 耳の周りの毛が薄くなっている・赤い:かきすぎや炎症が皮膚に影響している可能性があります。

ひとつだけでも気になるサインがあれば、まずはかかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。

おうちでできる「耳チェック」のやり方

特別な道具がなくても、毎日のスキンシップの中で耳の状態を確認することができます。

まず、その子がリラックスしているタイミングを選びましょう。ごはんのあとや、なでなでタイムのついでがおすすめです。

①外側から見る
耳の外側の皮膚に赤みや湿疹、かさぶたがないか確認します。毛が薄くなっている部分がないかも見てみましょう。

②耳を軽くめくって内側を見る
耳の内側(耳介)の色がいつもと同じかどうかをチェックします。健康な状態はうすいピンク色で、汚れが少なく、においもほとんどありません。

③においをかいでみる
においは、目で見えない変化を教えてくれます。「なんかいつもと違うにおいがする」という感覚を大切にしてください。

④触れてみる
耳の根元あたりをやさしく触れて、嫌がらないか確認します。急に嫌がるようになった場合は、痛みがある可能性があります。

このチェックを週に1〜2回程度の習慣にしておくと、「いつもの状態」がわかるようになり、異変にも気づきやすくなります。

耳掃除は「やりすぎ」にも注意

耳のケアというと「こまめに掃除しなければ」と思いがちですが、実は耳の掃除のしすぎは逆効果になることもあります。

耳の中には、外部からの異物を防いだり、自浄作用を助けたりする適度な分泌物があります。綿棒などで奥まで掃除しようとすると、この分泌物を取りすぎたり、粘膜を傷つけてしまったりすることがあります。

おうちでのケアは、耳の入り口付近を**やわらかいコットンやガーゼで、見える範囲だけ」やさしくふき取る程度が基本です。奥まで触るのは避け、汚れが多い・においが気になるといった場合は動物病院でのクリーニングをお願いするのが安心です。

また、耳の中を水で洗い流すことも、自己判断では行わないようにしましょう。

耳のトラブルの主な原因と種類

犬や猫の耳に起きやすいトラブルには、いくつかの種類があります。原因によって対処法も異なるため、自己判断での治療は避け、必ず獣医師に診てもらうことが大切です。

  • 外耳炎:耳の入り口から鼓膜までの「外耳道」に炎症が起きる状態。細菌や真菌(カビ)の増殖、アレルギーなどが原因になることがあります。垂れ耳の犬に多く見られます。
  • 耳ダニ(耳疥癬):ミミヒゼンダニというダニが耳の中に寄生する状態。黒っぽいコーヒーかすのような耳垢が特徴的で、強いかゆみを伴います。猫に多く見られますが、犬にも起こります。
  • アレルギーによる耳のかゆみ:食物アレルギーや環境アレルギーが耳のかゆみとして現れることがあります。繰り返す外耳炎の背景にアレルギーが関係していることも。
  • 異物の混入:散歩中に草の種などが耳に入ることがあります。特に夏から秋にかけて、草むらに入ることが多い子は注意が必要です。

受診の目安:こんなときは早めに動物病院へ

以下のような状態が見られるときは、様子を見るよりも早めに受診することをおすすめします。

  • 耳から強いにおいがする
  • 黒や茶色の汚れが急に増えた
  • 耳を触ると痛がる・鳴く
  • 頭を激しく振り続けている
  • 頭が傾いたまま(斜頸)になっている
  • 耳の外側に血のにじみや大きな腫れがある
  • かゆがって眠れないほど落ち着かない

特に頭の傾き(斜頸)や、耳から出血がある場合は、できるだけ早く受診してください。

「大げさかな」と思う必要はありません。その子の異変を一番早く感じ取れるのは、毎日そばにいるあなただからです。

記録しておくと、受診のときに役立つ

「いつから頭を振るようになったか」「においはいつ気づいたか」といった情報は、獣医師が診断するうえでとても参考になります。

もふ手帳のような健康記録アプリに、気になった日付とその様子を簡単にメモしておくと、受診のときにスムーズに伝えられます。写真や動画を一緒に残しておくのもおすすめです。

今日からできる、小さな一歩

今日のスキンシップのついでに、その子の耳をそっとめくって、においと色を確認してみてください。「いつもの状態」を知っておくことが、異変に気づく一番の近道です。

そして、週1回の「耳チェックの日」を決めてしまうのもいい方法です。曜日を決めて習慣にしてしまえば、気づかないうちに何週間も確認していなかった、ということがなくなります。小さな観察の積み重ねが、その子の健康を守る大きな力になります。

「もふ手帳」は、犬と猫の毎日を10秒で記録できるWebサービスです。体調・ごはん・体重の記録が「いつもと違う」への気づきになり、その子だけの一冊の本になっていきます。記録は無料・何頭でも登録できます。

無料ではじめる(14日間フルおためし・カード不要)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬・愛猫に気になる症状があるときは、かかりつけの動物病院にご相談ください。