犬・猫の食欲にムラがあるとき|「食べ方」との上手なつきあい方

すぐに完食して、もっと欲しがる子。 気分によって、食べたり食べなかったりする子。
食べ方は、本当にその子それぞれ。 「どうしてうちの子はこうなんだろう」と、悩むこともあるかもしれません。 今日は、その子の食べ方のクセと、どうつきあっていくかの話を。
食べ方は、その子の個性のひとつ
犬や猫の食べ方は、驚くほど、子によって違います。
がつがつと、あっという間に平らげる子。 ちまちまと、時間をかけて食べる子。 気が向いたときだけ食べる、マイペースな子。 毎日きっちり同じ量を食べる子。
これは、その子の個性です。 食いしん坊も、少食も、ムラ食いも、その子らしさのひとつ。
だから、他の子と比べて一喜一憂する必要はありません。 「よその子はよく食べるのに」「あの子はムラがないのに」 そう比べるより、うちの子はどういう食べ方をする子なのか、を知ることのほうが、ずっと大切です。
その子の食べ方のクセを知って、うまくつきあっていく。 そして、その中で「いつもと違う」に気づけるようにする。 今日は、そのための視点をお話しします。
よく食べる子、太りやすい子とのつきあい方
まず、よく食べる子。 食いしん坊は、見ていてほほえましいものです。 でも、放っておくと、体重が増えすぎてしまうことがあります。
太りすぎは、体にいろいろな負担をかけることがあります。 だから、よく食べる子ほど、量の管理が大切になります。
ここで大事なのが、以前もお話しした「適量」の考え方。 袋の目安を出発点に、その子の体重と体型を見ながら調整していく。 よく食べるからといって、欲しがるだけあげていると、増えすぎてしまいます。
そして、見落としがちなのが、おやつ。 食いしん坊の子は、おねだりも上手。 つい、あげすぎてしまいます。 おやつも含めて、一日の総量で考える。 家族みんなで、「誰がどれだけあげたか」を共有しておくのも大切です。
食べる速さも、見ておきたいところ。 早食いの子は、勢いよく食べて、吐き戻してしまうことがあります。 ゆっくり食べられる工夫の食器を使うなど、その子に合った方法を考えるのもいいでしょう。
よく食べる子は、幸せそう。 でも、その健康を守るために、量には気を配ってあげたいのです。
食べムラのある子とのつきあい方
一方、食べムラのある子。 食べたり食べなかったり、日によってまちまち。 これは、飼い主さんを、けっこう悩ませます。
「今日は食べてくれない、どうしよう」 「わがままなのかな」 心配になりますよね。
まず、知っておきたいこと。 もともと、少食だったり、ムラがあったりする子は、います。 特に猫は、気分で食べ方が変わることが珍しくありません。 だから、その子のふだんが「ムラがある」なら、多少の食べムラは、その子にとって普通のこともあります。
ただし、ここで大事なのが、その子の「ふだんのムラ」を知っていること。 いつもの範囲のムラなのか、それとも、いつもと違う食べなさなのか。 これを見分けられることが、大切です。
食べムラの子で、やってしまいがちなのが、あの手この手で食べさせようとすること。 食べないからと、次々に違うものを出したり、おいしいトッピングを足したり。 これが続くと、「待っていれば、もっといいものが出てくる」と覚えて、ますます食べなくなることもあります。 一定のルールで対応するほうが、結果的にうまくいくこともあります。
とはいえ、これはその子の性格や状況によります。 食べムラで悩んでいるなら、一度、かかりつけの先生に相談してみるのもいい方法です。
いちばん大事なのは「いつもと違う」の見分け
よく食べる子も、ムラのある子も、共通して、いちばん大事なことがあります。 それは、その子の「ふだんの食べ方」を知っておくこと。
食いしん坊の子が、急にごはんを残すようになった。 これは、いつもと違う。気にかけたいサインです。 「食いしん坊だから大丈夫」と思っていると、この変化を見逃しかねません。
ムラのある子が、いつものムラを超えて、まったく食べなくなった。 これも、いつもと違う。 「いつものことだろう」と流していると、大事なサインを見過ごすことがあります。
つまり、その子の食べ方のクセを知っているからこそ、「いつもと違う」に気づける。 よく食べる子の「食べない」も、ムラのある子の「食べなさすぎ」も、その子のふだんを基準にすれば、見分けられます。
特に、いつもと違う食欲の変化が続くとき、ぐったりしている、他にも気になる様子があるときは、体調のサインかもしれません。 様子を見すぎず、かかりつけの先生に相談してください。
記録すると、その子の食べ方が見えてくる
その子の食べ方のクセを知るのに、記録がとても役立ちます。
毎日の食べ方を、ゆるく記録してみる。 完食、少し残した、半分残した、食べなかった。 このくらいのざっくりでいいので、続けてみる。
すると、その子の食べ方のパターンが見えてきます。 「この子は、だいたいいつも完食するな」 「この子は、週に何回か食べない日があるな。でも、次の日は食べてる」 こうした「その子のふだんのリズム」が、わかってきます。
そして、このふだんがわかると、変化にも気づけます。 「いつもは完食なのに、三日続けて残してる。これはおかしい」 「いつものムラの範囲を超えて、まったく食べてない」 記録があるからこそ、こうした判断ができます。
体重の記録と合わせると、さらに役立ちます。 食べ方と体重の両方を見れば、量が合っているか、太ってきていないか、痩せてきていないかが、見えてきます。 そして、食欲や体重の気になる変化を、病院で先生に正確に伝えられます。
私たちが「もふ手帳」をつくったのも、そんな思いからでした。 毎日の食べ方や、体重を、ぽちっと残しておける。 その子の「食べ方のふだん」をそっと覚えていてくれて、「いつもと違う」に気づく手助けをしてくれる。 受診のときには、その記録がそのまま先生への伝言になります。 記録はずっと無料で、肩の力を抜いて続けられます。
食べ方に、その子らしさを感じて
最後に、少しやわらかい話を。
食べ方のクセは、悩みの種であると同時に、その子らしさそのものでもあります。
がつがつ食べる姿の、いじらしさ。 気まぐれに食べる姿の、マイペースなかわいさ。 ごはんを待つときの、わくわくした表情。
食べることは、生きることの基本。 その姿を見られること自体が、幸せなことです。
だから、食べ方のクセに、あまり神経質になりすぎないで。 量に気を配り、変化に気づけるようにしながらも、その子の食べる姿を、愛おしく見守る。 その気持ちが、いちばん大切なのだと思います。
今日からできる、小さな一歩
今日のごはんのとき、あの子の食べ方を、少し意識して見てみてください。 どのくらいの勢いで、どのくらい食べたか。 それが、その子の「食べ方のふだん」を知る、一歩になります。
そして、その様子を、ひとことでいいので記録してみる。 続けるうちに、その子だけの食べ方のリズムが見えてきます。 そのふだんを知っていることが、いつか「いつもと違う」に気づく力になります。
よく食べる子も、ムラのある子も、その食べ方は、その子だけの個性です。 そのクセとうまくつきあいながら、健康を守り、そして食べる姿を、愛おしく見守ってあげてください。
食欲や体重で気になる変化が続くときは、自己判断せず、かかりつけの先生に相談してくださいね。
「もふ手帳」は、犬と猫の毎日を10秒で記録できるWebサービスです。体調・ごはん・体重の記録が「いつもと違う」への気づきになり、その子だけの一冊の本になっていきます。記録は無料・何頭でも登録できます。
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