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シニア犬・シニア猫の「グルーミングの変化」|毛づくろいと被毛で読む老いのサイン

公開日:2026/07/16 更新日:2026/07/16 シニア
シニア犬・シニア猫の「グルーミングの変化」|毛づくろいと被毛で読む老いのサイン

「あれ、最近毛並みが違う気がする」

ある日ふと、その子の背中をなでたとき、なんとなく手触りが違う気がした。毛がパサついている、ゴワゴワしている、あるいは猫なのに毛づくろいをしている時間が減った気がする。そんな小さな「あれ?」を感じたことはありませんか。

シニア期に入ると、被毛やグルーミングの様子はじわじわと変わっていきます。若いころは自分でしっかり手入れできていた子が、体の硬さや関節の痛みから届かない場所が増えてきたり、毛の質そのものが変わってきたりすることがあります。

その変化は、単なる「老化の見た目の話」ではなく、体の内側からのサインであることも少なくありません。毎日なでる手が、いちばん早くその子の変化に気づける場所です。

シニアになると被毛はどう変わる?

犬も猫も、年齢を重ねると被毛の質や量が変わってくることがあります。具体的には次のような変化が見られることがあります。

  • 毛がパサつく・ツヤがなくなる 若いころはしっとりとしていた毛が、乾燥してパサパサに感じられるようになる
  • 毛が細くなる・薄くなる 全体的に毛量が減ったり、特定の部分が薄くなってきたりする
  • 白髪が増える 特に顔まわりや口元に白い毛が目立つようになる
  • 毛玉ができやすくなる 猫では特に、自分でグルーミングが行き届かない部分に毛玉ができやすくなる
  • 換毛のリズムが変わる 季節の変わり目に抜け毛が増えたり、逆に換毛がゆるやかになったりする

これらの変化は、加齢にともなう皮脂分泌の変化や、栄養の吸収効率の低下、ホルモンバランスの変化などが関係していると考えられています。ただし、急激な変化や部分的な脱毛、皮膚の赤みやかゆみをともなう場合は、皮膚疾患やホルモンの病気が隠れていることもあるため、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。

猫のグルーミングが減ってきたら

猫は本来、起きている時間の多くをグルーミングに費やす動物です。あの子が一日に何度も丁寧に毛づくろいをしている姿は、健康のバロメーターのひとつでもあります。

シニア猫でグルーミングが減る主な理由として考えられるのは、関節の痛みや筋肉の衰えです。体をひねって背中や腰まわりを舐めようとすると、若いころは難なくできていた姿勢が、年齢とともにつらくなってきます。届かない場所が増えると、自然とグルーミングの時間が短くなります。

また、口や歯のトラブルが原因で毛づくろいをしなくなることもあります。歯肉炎や口内炎があると、舐めること自体が痛みをともなうため、グルーミングを避けるようになることがあります。

さらに、体調の不良や気力の低下がグルーミングの減少として現れることもあります。全体的に元気がない、食欲が落ちているといった変化と一緒に見られる場合は、早めに受診を検討してください。

犬のグルーミングの変化で気づけること

犬は猫ほど自分でグルーミングをする動物ではありませんが、足先を舐める、体を掻く、特定の場所を気にするといった行動の変化はよく見られます。

シニア犬で注意したいのは、同じ場所を繰り返し舐める・噛む行動です。関節の痛みや皮膚のかゆみ、しこりなどを気にしているサインであることがあります。「なんとなく気にしているな」と思ったら、その場所を優しく確認してみましょう。

また、足先や肉球を舐める頻度が増えた場合は、アレルギーや皮膚炎のほか、関節の違和感から足を気にしている場合もあります。被毛の変化と合わせて観察し、気になることがあれば記録に残しておくと、受診のときに役立ちます。

おうちでできる「グルーミングケア」の工夫

シニアの子には、飼い主さんによるグルーミングのサポートがとても大切になってきます。自分では届かない場所を補ってあげることで、毛玉や皮膚トラブルを防ぎ、体の変化にも早く気づけます。

ブラッシングは短時間・やさしくが基本です。若いころより皮膚が薄くなっていることもあるため、力加減に注意しながら、毎日少しずつ行うのがおすすめです。嫌がる場合は無理せず、その子のペースに合わせてください。

毛玉は早めにほぐすことが大切です。放置すると皮膚を引っ張って痛みの原因になることがあります。ひどい毛玉は無理に引っ張らず、トリマーさんや動物病院でカットしてもらうのが安心です。

グルーミングの時間は体チェックの時間でもあります。ブラッシングしながら、しこりや腫れ、皮膚の赤み、傷などがないかをそっと確認しましょう。毎日触れていると、「いつもと違う」に気づきやすくなります。

また、シニアになるとシャンプーの頻度や方法を見直すことも大切です。体力の負担を減らすため、ドライシャンプーを活用したり、シャンプー後の乾燥を素早く行ったりする工夫が助けになります。

被毛と栄養の関係

毛並みの変化は、食事の内容とも深く関わっています。シニア期は消化吸収の効率が落ちることがあり、必要な栄養素が十分に行き渡らなくなることがあります。特にタンパク質・脂質・必須脂肪酸は被毛の健康に関わる栄養素です。

シニア向けのフードに切り替えることで、年齢に合った栄養バランスが補われることがあります。ただし、食事の変更は体への影響も大きいため、急に変えるのではなく、かかりつけの獣医師に相談しながら進めることをおすすめします。

また、水分補給も被毛の状態に関係します。体の水分が不足すると皮膚や毛がパサつきやすくなるため、飲み水の量や飲みやすい環境を整えることも大切なケアのひとつです。

「受診の目安」を知っておこう

グルーミングや被毛の変化のすべてが病気のサインというわけではありませんが、次のような変化が見られたときは、早めにかかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。

  • 急に毛が抜ける・部分的にハゲができた
  • 皮膚が赤い・ただれている・かさぶたがある
  • 強いかゆみがある(体を激しく掻く・床にこすりつける)
  • グルーミングを急にやめた、または急に増えた
  • 毛並みの変化と同時に食欲や元気の低下がある
  • 体の特定の場所だけを繰り返し舐める・噛む

これらは皮膚疾患、ホルモンの病気、アレルギー、関節の痛みなど、さまざまな原因が考えられます。「様子を見よう」と思っているうちに進行することもあるため、気になったら早めに動くことが大切です。

日々の観察を「もふ手帳」などに記録しておくと、変化がいつ頃から始まったかを受診のときに伝えやすくなります。

今日からできる、小さな一歩

まず今日、その子を膝の上に乗せて、ゆっくりと全身をなでてみてください。毛並み、皮膚の状態、体の凹凸、気にしている場所がないか、手のひら全体で確かめながら。

そして気づいたことをひとことメモしておきましょう。「今日は背中の毛がいつもよりパサついていた」「左の腰あたりを少し気にしていた」——そんな小さな記録が、数週間後に「あのころから変わり始めていたんだ」と気づく手がかりになります。

その子の毛並みは、毎日のふれあいの中でしか読めないサインです。なでる手を、今日も信じてあげてください。

「もふ手帳」は、犬と猫の毎日を10秒で記録できるWebサービスです。体調・ごはん・体重の記録が「いつもと違う」への気づきになり、その子だけの一冊の本になっていきます。記録は無料・何頭でも登録できます。

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この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬・愛猫に気になる症状があるときは、かかりつけの動物病院にご相談ください。