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シニア犬・シニア猫の「血液検査」|数値の見方と記録で守る老後の健康

公開日:2026/07/10 更新日:2026/07/10 シニア
シニア犬・シニア猫の「血液検査」|数値の見方と記録で守る老後の健康

「数値が並んでいるけど、どう見ればいい?」

年に一度、あるいは半年に一度の健康診断。シニア期に入った子を連れて動物病院へ行き、血液検査の結果を受け取ったとき、こんな気持ちになったことはありませんか。

「先生がざっと説明してくれたけど、帰ってきたら何が書いてあったか思い出せない」
「数値に矢印がついているけど、どのくらい気にすればいいの?」
「去年の結果と比べたいけど、紙をどこにしまったかわからない」

そういった声は、シニア犬・シニア猫の飼い主さんからとても多く聞かれます。血液検査は、その子の体の中で今何が起きているかを教えてくれる、とても大切な「内側からの健康チェック」です。でも、数値の羅列を前に戸惑ってしまうのは当然のこと。この記事では、血液検査がなぜ大切なのか、主な項目がどんなことを示しているのか、そして結果をどう記録して活かすかを、飼い主さんの目線でやさしくお伝えします。

なぜシニア期に血液検査が大切なのか

犬も猫も、シニア期に入ると体の変化が加速します。腎臓・肝臓・心臓・内分泌系など、外から見えない臓器の働きが少しずつ変わっていくのがこの時期の特徴です。

血液検査が特に重要な理由は、症状が出る前の変化をとらえられることにあります。たとえば腎臓は、機能が大きく低下するまで目立った症状が出にくい臓器として知られています。「元気そうに見えていたのに、検査をしたら数値がかなり変わっていた」というケースは珍しくありません。

また、一度の検査で「異常あり・なし」を判断するよりも、時系列で変化を追うことに大きな意味があります。今月の数値が正常範囲内であっても、半年前・一年前と比べて動いているなら、それは体が変化しているサインかもしれない。そのために、結果を記録して積み重ねていくことが大切になります。

血液検査でわかる主な項目

動物病院によって検査パネルの内容は異なりますが、シニア期によく確認される項目をいくつかご紹介します。あくまでも「こういう意味の数値なんだ」と知るための参考として読んでください。実際の解釈はかならずかかりつけの獣医師にご確認を。

腎臓に関わる項目
- BUN(血中尿素窒素):タンパク質の代謝産物。腎臓がうまく排泄できていないと上昇することがある
- クレアチニン(Cre):筋肉の代謝産物。腎機能の指標としてよく使われる
- SDMA:腎機能の低下をより早期に検出できるとされる比較的新しいマーカー

肝臓に関わる項目
- ALT(GPT):肝細胞のダメージで上昇しやすい酵素
- ALP:肝臓や骨などに関わる酵素。犬ではステロイドの影響でも変動することがある
- T-Bil(総ビリルビン):黄疸の指標になることがある

血糖・内分泌に関わる項目
- GLU(血糖値):糖尿病のスクリーニングに使われる
- T4(甲状腺ホルモン):猫の高齢期に多い甲状腺機能亢進症の確認に

血液の状態を見る項目
- RBC・Hb・Ht:赤血球の数や量。貧血の有無を確認する
- WBC:白血球数。炎症や感染の指標になることがある
- PLT(血小板):止血に関わる成分

これらの数値は、その子の年齢・体重・犬種・猫種・過去の病歴によって評価が変わります。「基準値から外れた=すぐに病気」というわけではなく、全体のバランスや変化の傾向を見ることが大切です。

「前回と比べる」が、いちばん大事な読み方

血液検査の結果を活かす上で、飼い主さんにぜひ意識してほしいのが「比較」という視点です。

動物病院によっては、過去の検査結果を院内のカルテで管理してくれています。でも、転院したとき・先生が変わったとき・災害や緊急時に別の病院へかかったとき、その情報がスムーズに引き継がれるとは限りません。

だから、飼い主さん自身が手元に記録を持つことに意味があります。検査結果の用紙をそのまま保管するだけでも十分ですが、できれば主な数値を日付とともにメモしておくと、変化のグラフが頭の中で描けるようになります。

「去年の春はBUNが18だったのに、今回は28になっている」「ALTがずっと正常範囲だったのに今回だけ少し高い」——そういった気づきを持って受診できると、先生との会話がぐっと深まります。

もふ手帳では、こうした検査結果の数値も記録として残しておくことができます。通院記録と合わせて積み重ねていくと、その子の「体の歴史」が一冊にまとまっていきます。

検査結果を受け取ったら、その場で聞くこと

血液検査の結果を受け取ったとき、「よくわからないまま帰ってきてしまった」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。診察室では時間が限られていることも多く、遠慮してしまいがちですよね。

でも、以下のことを一言確認するだけで、帰ってからの安心感がずいぶん違います。

  • 「今回特に気になった数値はどれですか?」
  • 「前回と比べて変化はありましたか?」
  • 「次回の検査はいつ頃が目安ですか?」
  • 「家で気をつけて見ておくことはありますか?」

診察後にメモを取る習慣をつけると、帰宅してから「何を言われたっけ」と焦ることが減ります。スマホのメモアプリでも、手帳でも、その子専用のノートでも。形はなんでも構いません。

検査の頻度はどのくらいが目安?

血液検査の頻度は、その子の年齢・健康状態・既往歴によって変わります。一般的な目安として、シニア期に入った子では年に1〜2回の検査を推奨する獣医師が多いようです。持病がある場合や、数値に変化が見られた場合は、より短いサイクルで確認することもあります。

「うちの子はまだ元気そうだから」と検査を先延ばしにしたくなる気持ちもわかります。でも、元気そうに見えているからこそ、検査で「今の状態」を確認しておくことに意味があります。

何歳から・どのくらいの頻度で検査を受けるべきかは、かかりつけの獣医師と相談しながら決めていくのがいちばんです。その子の体質や生活環境に合わせた計画を、一緒に考えてもらいましょう。

数値の変化に気づいたら、あわてず受診を

自宅で記録を見返していて「あれ、この数値が変わってきた?」と感じたとき、まず深呼吸してください。数値の変化イコール重大な病気、ではありません。食事の内容・水分摂取量・採血前の状態(空腹かどうかなど)によっても結果は変わることがあります。

ただ、気になったことはそのままにせず、次の受診時に先生に伝えてみてください。「前回からこの数値が少し上がっているように見えるんですが、気にしたほうがいいですか?」と聞くだけで、必要な確認につながることがあります。

飼い主さんの「なんとなく気になる」という感覚は、とても大切なセンサーです。数値の変化に気づけるのも、記録を続けてきたからこそ。その積み重ねが、その子を守る力になります。

今日からできる、小さな一歩

今日、動物病院から帰ってきたら、血液検査の結果用紙をすぐに捨てずに保管してみてください。ファイルに入れるだけでも、封筒にまとめるだけでも構いません。

そして次の受診のときに、「前回の結果と比べてどうですか?」と一言聞いてみましょう。それだけで、その子の健康を「点」ではなく「線」で見守る習慣が始まります。

シニア期のその子と過ごす時間は、かけがえのないものです。血液検査の記録という小さな積み重ねが、その子との日々をより安心で豊かなものにしてくれるはずです。

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この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬・愛猫に気になる症状があるときは、かかりつけの動物病院にご相談ください。