ホームコラム › ペットと地震・台風に備える「家の中」の安全対策|…

ペットと地震・台風に備える「家の中」の安全対策|日常からできる防災インテリア

公開日:2026/07/06 更新日:2026/07/06 くらしと防災
ペットと地震・台風に備える「家の中」の安全対策|日常からできる防災インテリア

「うちは大丈夫」と思っていたあの日のこと

地震や台風が来るたびに、「備えなきゃ」と思いながら、気づけばまた日常に戻っている。そんな経験、ありませんか。

人間の防災グッズはそろえた。非常食も買った。でも、あの子のことは——。

ペットと暮らす家の「室内の安全」は、意外と後回しにされがちです。でも実は、地震や台風のとき、ペットが怪我をする原因の多くは「家の外」ではなく「家の中」にあります。倒れてきた家具、割れたガラス、ふさがれた逃げ道。その子が自分で身を守ることはできません。だからこそ、飼い主であるわたしたちが、日常の中で少しずつ整えておくことが大切なのです。

この記事では、犬や猫と暮らす家の中を、地震・台風に備えた「安全な空間」に整えるための具体的なヒントをお伝えします。大がかりなリフォームは必要ありません。今日からできる小さな工夫が、あの子を守る大きな力になります。

ペットが怪我をしやすい「室内の危険スポット」

地震が起きたとき、室内で何が起こるかを想像してみてください。

本棚が倒れる。食器棚のガラスが割れる。テレビが落ちる。キャットタワーが傾く。ケージが滑る——。

こうした状況で、犬や猫は「危ない!」と判断して逃げることが難しい場合があります。特に猫は高い場所を好むため、揺れの最中に棚の上から落下するリスクがあります。犬は驚いてパニックになり、割れたガラスの上を走ってしまうこともあります。

室内の危険スポットをざっと確認してみましょう。

  • 背の高い家具(本棚・食器棚・タンス):転倒すると逃げ場をふさぐ
  • ガラス製品・陶器:割れると足を切る原因に
  • テレビ・電子レンジ:固定されていないと落下する
  • キャットタワー・ケージ:滑りやすい床では動いてしまう
  • コンロ周り:地震中に火が出ると煙が充満する

まず「うちの子がよくいる場所」の周囲を見回してみることが、最初の一歩です。

家具の固定は「あの子のため」でもある

「家具の転倒防止は知っている。でも面倒で……」という方、多いと思います。でも、こう考えてみてください。家具を固定することは、あの子を守ることでもある、と。

特に犬や猫は、地震が起きたとき家具の陰や棚の下に隠れようとすることがあります。そこに家具が倒れてきたら——想像するだけで胸が痛くなりますよね。

家具の固定には、突っ張り棒タイプや粘着タイプなど、賃貸でも使いやすいアイテムがそろっています。背の高い家具から順番に、できるものから始めてみましょう。

また、食器棚や本棚の扉には、地震の揺れで開かないようにするラッチ(留め具)をつけておくと、中のものが飛び出してくるリスクを減らせます。ガラス面には飛散防止フィルムを貼るだけでも、割れたときの被害がぐっと小さくなります。

その子の「安全な居場所」をつくっておく

地震や台風のとき、ペットが自分から逃げ込める「安全な場所」を、あらかじめ家の中につくっておくことをおすすめします。

イメージするのは、小さくて、四方が囲まれていて、倒れてくるものがない場所です。

犬であればクレートやキャリーバッグ、猫であれば隠れ家型のベッドや段ボール箱なども活用できます。大切なのは、ふだんからその場所をリラックスできる空間として慣れさせておくこと。いざというときだけ押し込もうとしても、パニックになったペットには難しいものです。

日頃から「ここにいると安心」と感じてもらえるよう、好きなにおいのするタオルを敷いたり、おやつを置いてみたりして、自然に出入りできる習慣をつけておきましょう。

また、その安全な居場所は、できれば倒れやすい家具の近くを避けた場所に設置するのがベターです。

台風・大雨のとき、家の中で気をつけること

台風や大雨の場合、地震とは少し違う危険があります。

窓ガラスが割れることへの備えとして、飛散防止フィルムは台風にも有効です。また、強風で窓が開いてしまわないよう、ロックを確認しておきましょう。猫は特に、風の音や気圧の変化に敏感で、窓の隙間から外に出ようとすることもあります。

台風接近が予報されている日は、ベランダや窓際のものをあらかじめ室内に取り込む習慣をつけましょう。植木鉢、おもちゃ、リード——風で飛んで窓を割る原因になることがあります。

また、停電への備えも忘れずに。夏の台風で停電が長引くと、室温が急上昇します。ペット用の保冷グッズや、電池式の扇風機などを備えておくと安心です。

「逃げ道」と「閉じ込められる場所」を把握する

災害時、ペットが家具の隙間や押し入れの奥に逃げ込んでしまうことがあります。そのまま出られなくなったり、見つけられなくなったりすると、救助や避難が遅れる原因になります。

ふだんから、あの子がよく隠れる場所・入り込む場所を把握しておきましょう。そして、もし危険な場所(例:家具と壁の隙間、外につながる通気口の近く)があれば、ふだんからふさいでおくか、入れないようにしておくのが安心です。

逆に、避難するときにすぐ捕まえられるよう、普段からキャリーやクレートに慣れさせておくことも大切です。いざ逃げようとしたときに捕まえられない、キャリーに入れられない——という状況を防ぐためにも、日常の中でキャリーをポジティブな場所として認識させておく練習を続けてみてください。

記録しておくと「いざ」のときに役立つこと

室内の安全対策と並行して、あの子の情報を記録しておくことも、防災の一部です。

万が一、災害時に一時的に離れ離れになってしまったとき、体の特徴・かかりつけ医の連絡先・持病や服薬情報が手元にあると、保護された後の対応がスムーズになります。

もふ手帳のようなアプリに日頃から記録しておくと、スマホさえあればいつでもその情報を確認・共有できます。紙の手帳と合わせてデジタルでも残しておくと、より安心です。

今日からできる、小さな一歩

まず今日、あの子がよくいる場所の周囲を一度だけ見回してみてください。倒れそうな家具はないか、ガラスが近くにないか、逃げ込んだら出られなくなる隙間はないか。

気になった場所が一つでも見つかったら、それを直すことが今日の防災です。突っ張り棒一本、飛散防止フィルム一枚——小さな行動が、あの子の命を守ることにつながります。

そして、キャリーやクレートを出しっぱなしにして、あの子が自由に出入りできる状態にしておくのも、今日からできる大切な習慣です。「ここは安全な場所」と体で覚えてもらうことが、いざというときの安心につながります。

備えは、怖いことを考えるためではなく、あの子と一緒に、どんな日も乗り越えるためにするものです。日常の中の小さな工夫が、その子を守る大きな力になります。

「もふ手帳」は、犬と猫の毎日を10秒で記録できるWebサービスです。体調・ごはん・体重の記録が「いつもと違う」への気づきになり、その子だけの一冊の本になっていきます。記録は無料・何頭でも登録できます。

無料ではじめる(14日間フルおためし・カード不要)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬・愛猫に気になる症状があるときは、かかりつけの動物病院にご相談ください。