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犬・猫のごはんと水分補給|食事から摂る水の役割と乾燥季節の工夫

公開日:2026/07/05 更新日:2026/07/05 ごはん
犬・猫のごはんと水分補給|食事から摂る水の役割と乾燥季節の工夫

ごはんは「食べ物」だけじゃない。水分の入り口でもある

その子が毎日食べているごはん、ちゃんと「水分」のことまで考えていますか?

犬も猫も、体の約60〜70%は水分でできています。人間と同じように、水は体温調節や消化、老廃物の排出など、生きていくうえで欠かせないはたらきを担っています。そして見落とされがちなのが、「ごはんそのものから摂れる水分」の存在です。

ドライフードを中心に与えているご家庭では、飲み水だけが水分補給の頼りになります。一方、ウェットフードや手作りごはんを取り入れていれば、食事からもかなりの水分が補われます。この違いは、じつは体への影響がじわじわと積み重なっていくもの。今日のコラムでは、ごはんと水分補給の関係をあらためて見つめ直してみましょう。

ドライフードとウェットフード、水分量の差はどのくらい?

ドライフード(カリカリ)の水分含有量は、一般的に10%前後と言われています。対してウェットフード(缶詰やパウチ)は75〜85%ほど。この差は、数字で見ると驚くほど大きいですよね。

たとえば体重4kgの猫が1日に必要とする水分量は、おおよそ160〜240ml程度とされています(個体差・環境によって異なります)。ドライフードだけを食べている場合、食事から摂れる水分はほんのわずかなので、残りのほとんどを飲み水で補わなければなりません。

ところが猫はもともと「砂漠の動物」としての習性が残っており、のどが渇いてもあまり積極的に水を飲まない子が多いと言われています。犬も個体によって飲水量にかなり差があります。「ごはんはちゃんと食べているから大丈夫」と思っていても、水分が慢性的に不足している状態が続いていることがあるのです。

乾燥しやすい季節は、特に要注意

秋から冬にかけて、空気が乾燥してくると、人間だけでなくその子の体も水分を失いやすくなります。暖房をつけた室内はさらに乾燥が進み、気づかないうちに水分不足になっているケースも少なくありません。

水分が不足すると、消化器の動きが鈍くなったり、尿が濃くなって泌尿器系に負担がかかったりすることがあります。特に猫は尿路疾患(膀胱炎・尿石症など)との関係が指摘されており、日頃からの水分補給が大切だと多くの獣医師が伝えています。

「最近あの子、水をあまり飲んでいないな」と感じたら、ごはんの内容を見直すのも一つの手です。

ごはんで水分を補う、具体的な工夫

水分補給をごはんから自然に取り入れるための工夫は、いくつかあります。できることから、少しずつ試してみてください。

- ドライフードにぬるま湯を少量かける
ふやかすことで香りも立ち、食欲が落ちている子にも食べやすくなることがあります。ただし、食べ残しは傷みやすいので注意を。

- ウェットフードをトッピングする
全部をウェットに切り替えなくても、ドライの上に少量のウェットをのせるだけで、水分量と食いつきが変わることがあります。

- スープタイプのフードや猫用・犬用のブロスを活用する
最近はペット向けの「だし汁」や「スープ」タイプのフードも増えています。食事に混ぜたり、単独で与えたりと使い方も柔軟です。

- フードボウルの素材や置き場所を見直す
水飲みの習慣は、容器の素材(プラスチック・陶器・ステンレス)や置き場所によっても変わることがあります。その子が「飲みやすい」と感じる環境を探してみましょう。

「飲んでいるかどうか」を確認するサイン

水分が足りているかどうかを目で確認するには、いくつかのポイントがあります。

  • 尿の色と量:尿が濃い黄色だったり、量が少なかったりする場合は水分不足のサインかもしれません。
  • 皮膚のターゴール(張り):首の後ろの皮膚をそっとつまんで離したとき、すぐに戻らない場合は脱水のサインとされています。
  • 目や口の乾燥:目がくぼんで見えたり、歯茎が乾いていたりするのも注意のサインです。

これらのサインが気になる場合は、自己判断せずにかかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。脱水は思っているより早く進むことがあります。

水飲みが少ない子への、やさしいアプローチ

「うちの子、ぜんぜん水を飲まないんです」というお悩みは、飼い主さんからよく聞かれます。無理に飲ませようとするのではなく、その子が「自然に飲みたくなる」環境を整えることが大切です。

  • 水の置き場所を複数にする(猫は特に効果的なことが多い)
  • 流れる水が好きな子には、ペット用の循環式給水器を試してみる
  • 水の温度を少し変えてみる(ぬるめが好きな子もいる)
  • 食器を清潔に保つ(においに敏感な子は汚れた容器を嫌がることがある)

どれが合うかはその子しだい。いくつか試しながら、「この子はこれが好きなんだな」と発見していくのも、一緒に暮らす楽しさのひとつです。

ごはんの記録が、変化に気づく力になる

毎日のごはんの種類や量、飲水量の変化は、意外と記憶だけでは追いきれないものです。「最近あまり飲んでいない気がする」という感覚を、もう少し具体的に把握したいときに、記録の習慣がじわじわと力を発揮します。

もふ手帳では、ごはんや飲水の記録もシンプルにつけておくことができます。日々の小さな変化を積み重ねておくと、獣医師への相談のときにも「最近こういう傾向があって」と伝えやすくなります。

今日からできる、小さな一歩

まず今日、その子の水飲みの様子をじっくり観察してみてください。「どのくらい飲んでいるかな?」と意識するだけで、見えてくるものが変わります。

そして、今与えているごはんがドライフード中心なら、ぬるま湯を少しかけてみることから始めてみましょう。特別な道具も材料も必要ありません。ほんの一手間が、その子の体の中の水分バランスをそっと助けてくれます。

ごはんの時間は、毎日必ずある「観察のチャンス」です。食べ方、飲み方、食後の様子。その子が何かを伝えようとしているかもしれない、小さなサインを、今日も見逃さないでいてあげてください。

「もふ手帳」は、犬と猫の毎日を10秒で記録できるWebサービスです。体調・ごはん・体重の記録が「いつもと違う」への気づきになり、その子だけの一冊の本になっていきます。記録は無料・何頭でも登録できます。

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この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬・愛猫に気になる症状があるときは、かかりつけの動物病院にご相談ください。