うちの子の「好き」と「苦手」、ちゃんと言えますか

あごの下をなでると、うっとり目を細める。 掃除機の音がすると、一目散に隠れる。 あのおもちゃには夢中なのに、こっちには見向きもしない。
その子だけの、好きと苦手。 ぜんぶ知っているようでいて、いざ言葉にすると、案外あいまいだったりします。 今日は、その子の性格を知ることの、思いがけない値打ちの話を。
「うちの子らしさ」は、体の健康と同じくらい大切
これまで、体重やごはん、体の調子の話をたくさんしてきました。 健康を守るための、観察と記録の大切さ。
でも、その子を形づくっているのは、体だけではありません。 性格、好み、クセ。 そういう「その子らしさ」もまた、その子そのものです。
おっとりした子、やんちゃな子、こわがりな子、甘えん坊。 好きな遊び、好きな場所、好きななで方。 苦手な音、苦手な場面、苦手な相手。
こうした「らしさ」を知ることは、ただかわいさを愛でるだけのことではありません。 実は、その子と暮らしやすくなり、その子を守ることにもつながる、とても実用的なことなのです。
性格を知ると、暮らしがやさしくなる
その子の好きと苦手を知っていると、毎日の暮らしが変わります。
たとえば、苦手なことを避けてあげられる。 大きな音が苦手な子なら、雷や花火のとき、早めに安心できる場所を用意できる。 抱っこが苦手な子なら、無理に抱え込まず、その子のペースを尊重できる。
たとえば、好きなことで喜ばせてあげられる。 好きな遊びを知っていれば、ストレス発散を手伝える。 喜ぶなで方を知っていれば、いっそう信頼が深まる。
苦手を減らし、好きを増やす。 それだけで、その子の毎日の心地よさが、ぐっと上がります。
そして、これはその子のためだけではありません。 お互いをわかり合えている関係は、暮らす私たちにとっても、心地いいもの。 「この子はこういう子」とわかっているから、すれ違いが減り、いっしょにいる時間が穏やかになります。
「好き」を知ることは、安心のスイッチを持つこと
その子の「好き」を知っておくことには、もうひとつ大事な意味があります。 それは、いざというときの「安心のスイッチ」になることです。
こわい思いをしているとき。 緊張する場面にいるとき。 体調を崩して不安なとき。
そんなとき、その子が安心できる「好き」を知っていれば、それで気持ちを落ち着けてあげられます。 好きな毛布、好きなおやつ、好きな抱っこの仕方、好きな声かけ。 これが、不安をやわらげるお守りになります。
たとえば、通院のとき。 こわがる子に、好きなおやつや慣れた毛布があれば、少し落ち着く。 災害や、知らない場所へ行くとき。 慣れたにおいのものがあれば、心の支えになる。
その子の「好き」は、ただの好みではありません。 いざというときに、その子を支える、大切な手がかりなのです。
「苦手」を知ることは、トラブルを防ぐこと
「苦手」を知っておくことも、同じくらい大切です。 苦手なものがわかっていれば、それを避けたり、和らげたりできるからです。
苦手な場面で、その子は無理をしています。 ストレスを感じ、ときには問題行動として表に出ることもある。 苦手を知らずにそこへ追い込んでしまうと、その子もつらいし、思わぬトラブルにもなりかねません。
たとえば、特定の状況でいやがる、怒る、逃げる。 それを「わがまま」と片づけるのではなく、「これがこの子の苦手」と理解する。 そうすれば、その状況を避けたり、少しずつ慣らしたり、対応のしようがあります。
苦手を知ることは、その子を「困った子」にしないこと。 その子が無理せず過ごせるよう、まわりが配慮するための、大事な情報なのです。
性格は、変わることもある
ここで、ひとつ大事な視点を。 その子の性格や好み、苦手は、ずっと同じとは限りません。
年齢とともに、変わっていくことがあります。 やんちゃだった子が、年を重ねて穏やかになる。 平気だったことが、急に苦手になる。
そして、ここが大切なのですが、急な変化には、体の不調が隠れていることもあります。 これまで好きだったことを嫌がるようになった。 急に触られるのをいやがる、攻撃的になった。 こうした変化は、もしかしたら、どこかが痛い、具合が悪いというサインかもしれません。
だから、性格や好みの変化にも、目を向けておきたい。 「最近、性格が変わったかも」が、体のサインのこともあります。 気になる変化が続くときは、自己判断せず、かかりつけの先生に相談してください。
その子の「らしさ」を知っているからこそ、その「らしさ」が変わったときに気づける。 これも、ふだんを知っておくことの大切さです。
知っているつもりを、記録にしてみる
ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。 「うちの子のことなら、全部わかっているよ」と。
でも、いざ書き出してみると、意外と発見があります。 好きななで場所はどこ? 何の音が苦手? どんな遊びに夢中になる? 誰に懐いて、誰を警戒する?
ぼんやりとはわかっていても、はっきり言葉にすると、あらためてその子のことが見えてきます。 そして、書き出すうちに、「そういえば、これも好きだな」と新しい気づきも生まれます。
記録にしておくと、こんなときに役立ちます。 その子を誰かに預けるとき。 ペットシッターさんやホテル、家族や友人に、その子の好き嫌いや扱い方を伝えられる。 それがあると、預ける側も、預かる側も安心です。
新しい家族が世話に加わるときも。 「この子はこういう子」を共有できれば、みんなが同じように接してあげられます。
そして何より、その記録は、その子の「らしさ」そのものの記録になります。 体重や健康の記録に加えて、性格や好みも残しておく。 それは、その子がどんな子だったかを、まるごと残しておくことです。
私たちが「もふ手帳」をつくったのも、そんな思いからでした。 体重や健康だけでなく、その子の好きなこと、苦手なこと、性格も、ぽちっと残しておける。 それが、暮らしやすさにつながり、いざ誰かに託すときの引き継ぎになり、そしてその子だけの一冊になっていきます。 記録はずっと無料で、肩の力を抜いて続けられます。
今日からできる、小さな一歩
今日、あの子の「好き」を、ひとつ思い浮かべてみてください。 いちばん喜ぶなで方でも、夢中になる遊びでも、お気に入りの場所でもいい。 そして、その「好き」を、ひとつ記録してみる。
ついでに、「苦手」もひとつ。 何の音が苦手か、どんな場面で緊張するか。
それを書き留めるだけで、あなたはその子のことを、あらためて知ることになります。 その積み重ねが、その子と暮らしやすくする手がかりになり、いざというときの安心のスイッチになります。
その子の「らしさ」は、体重と同じくらい、その子を表すもの。 好きと苦手を知っているということは、その子を深く理解しているということ。 それは、いっしょに暮らす毎日を、もっとやさしいものにしてくれます。
性格や好みの急な変化が気になるときは、体の不調の可能性も含めて、かかりつけの先生に相談してくださいね。
「もふ手帳」は、犬と猫の毎日を10秒で記録できるWebサービスです。体調・ごはん・体重の記録が「いつもと違う」への気づきになり、その子だけの一冊の本になっていきます。記録は無料・何頭でも登録できます。
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