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犬・猫の手作りごはん入門|始める前に知っておきたい栄養と注意点

公開日:2026/07/05 更新日:2026/07/05 ごはん
犬・猫の手作りごはん入門|始める前に知っておきたい栄養と注意点

「手作りごはん、やってみたい」と思ったこと、ありませんか

スーパーで鶏むね肉を買いながら、「この子にも食べさせてあげたいな」と思ったことがある飼い主さんは、きっと少なくないはずです。市販のフードに不安を感じたとき、愛犬・愛猫が食欲をなくしたとき、あるいはただただ「もっとおいしいものをあげたい」という気持ちから——手作りごはんへの関心は、その子への愛情そのものだと思います。

でも同時に、こんな不安もありますよね。「栄養が偏らないか心配」「何を入れていいかわからない」「毎日続けられるか自信がない」。

この記事では、手作りごはんを始める前に知っておきたい基本の考え方と、無理なく取り入れるためのヒントをお伝えします。完璧を目指さなくていい。その子のために、できることから始めてみましょう。

手作りごはんの「いいところ」と「難しいところ」

手作りごはんの魅力は、なんといっても食材が目に見えることです。何が入っているかを自分で確認できる安心感は、市販フードにはない特別なものがあります。また、水分を多く含む食事になりやすいため、飲水量が少ない猫や、泌尿器系が気になるシニアの子にとってメリットになることもあります。

一方で、難しい点もあります。犬や猫に必要な栄養素は人間とは異なり、タンパク質・脂質・炭水化物のバランスだけでなく、カルシウムとリンの比率、ビタミン・ミネラルの量なども重要です。手作りごはんだけで必要な栄養をすべてまかなうには、かなりの知識と工夫が必要になります。

「毎食手作り」にこだわらず、市販フードに手作りをトッピングする「ちょい足し」スタイルから始めるのが、多くの飼い主さんにとって現実的で続けやすい方法です。

犬と猫では、必要な栄養が違います

手作りごはんを考えるうえで、まず知っておきたいのが「犬と猫では必要な栄養素が異なる」という点です。

猫は完全肉食動物です。体内でタウリンやアラキドン酸、ビタミンAなどを合成する能力が非常に低く、これらを食事から摂取しなければなりません。タウリンが不足すると心臓や目に影響が出ることが知られており、猫の手作りごはんは特に注意が必要です。

犬は雑食性で、野菜や穀類も利用できますが、それでも人間とは必要量が異なります。たとえばビタミンDは犬にとって食事からの摂取が重要で、過不足どちらも問題になることがあります。

こうした違いがあるため、手作りごはんを本格的に取り入れたい場合は、かかりつけの獣医師や栄養の専門家に相談しながら進めることを強くおすすめします。

使いやすい食材と、避けるべき食材

手作りごはんに使いやすい食材の代表は、加熱した鶏肉・鶏ささみ・白身魚などです。消化がよく、タンパク源として取り入れやすいため、トッピングとしても活躍します。かぼちゃ・さつまいも・にんじんなどの野菜も、加熱してやわらかくすれば多くの子が喜んで食べてくれます。

一方で、絶対に避けるべき食材があります。

  • ネギ・玉ねぎ・にんにく・らっきょう:犬・猫ともに赤血球を壊す成分を含み、少量でも危険です
  • ぶどう・レーズン:腎臓に深刻なダメージを与える可能性があります
  • チョコレート・カカオ:テオブロミンという成分が中毒を引き起こします
  • マカダミアナッツ:神経症状を引き起こすことがあります
  • 生の魚(特に淡水魚):猫に生の魚を多く与えるとビタミンB1欠乏を招くことがあります
  • アボカド:毒性成分ペルシンが含まれます
  • キシリトール:少量でも犬に低血糖を引き起こす危険があります

これらは「ちょっとだけなら大丈夫」ではありません。調理中に床に落ちたものを食べてしまうことも多いので、キッチンでの管理も大切にしてください。

カルシウムとリンのバランスを意識して

手作りごはんで特に見落とされやすいのが、カルシウムとリンのバランスです。肉類はリンを多く含む一方、カルシウムは少ない傾向があります。このバランスが長期的に崩れると、骨や歯に影響が出ることがあります。

市販フードには、このバランスが計算されて配合されています。手作りごはんをメインにする場合は、カルシウム源として煮干し(塩分に注意)や、獣医師の指示のもとサプリメントを活用することが選択肢になります。

「手作りごはんだけにしたい」という場合は、特に栄養バランスの確認が重要です。定期的な血液検査で体の状態をチェックしながら進めることを、かかりつけの先生に相談してみてください。

「ちょい足し」から始めるのがいちばん続く

完璧な手作りごはんを毎食用意しようとすると、多くの場合、続かなくなってしまいます。それよりも、いつものフードに少しだけ手作りをプラスする「ちょい足しスタイル」がおすすめです。

たとえば、こんな取り入れ方があります。

  • 加熱した鶏ささみを細かくほぐして、ドライフードの上にのせる
  • かぼちゃやさつまいもを蒸してつぶしたものを少量混ぜる
  • 無塩・無添加の鶏ガラスープをかけて水分補給を助ける
  • 白身魚をゆでてほぐし、トッピングにする

この方法なら、市販フードで栄養バランスの土台をキープしながら、手作りの楽しさと安心感を加えることができます。その子が喜ぶ顔を見ながら、少しずつレパートリーを広げていけるのも嬉しいポイントです。

ちょい足しを始めたら、どの食材を与えたか、食べた量や反応を記録しておくと便利です。もふ手帳のような記録ツールを使うと、「あの食材のときだけ下痢をした」「これをトッピングすると完食する」といった傾向が見えてきて、その子に合ったごはんを見つける手がかりになります。

手作りごはんを始めたら、体の変化を観察しよう

新しい食材を取り入れたときは、必ずその子の様子を観察してください。特に注意したいのは以下の点です。

  • 便の状態:やわらかくなった、回数が増えた、色が変わったなどの変化
  • 皮膚・毛並み:かゆがる、赤みが出る、毛艶が変わるなど
  • 食欲と元気:いつもより食べない、ぐったりしているなど
  • 体重の変化:急激に増えた・減った

新しい食材は一種類ずつ試すのが基本です。複数の食材を一度に変えると、体調に変化が出たときに原因が特定しにくくなります。

何か気になる変化があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談してください。「手作りごはんを始めた」「どんな食材を使った」という情報を伝えると、診察がスムーズになります。

今日からできる、小さな一歩

手作りごはんは、「完璧にやらなければ」と思うほど難しくなります。まずは今日の夕ごはんに、加熱した鶏ささみをひとかけらのせてみるだけでいい。その子が喜んで食べてくれたら、それがもう立派なスタートです。

次のステップとして、使った食材と食べた様子をメモしておく習慣をつけてみてください。「今日はかぼちゃ入り、完食!」「白身魚は少し残した」——そんな小さな記録が積み重なると、その子だけの「好きなもの・合うもの」リストができていきます。

その子のごはんを考える時間は、その子のことを深く知る時間でもあります。焦らず、楽しみながら、あなたのペースで始めてみてください。

「もふ手帳」は、犬と猫の毎日を10秒で記録できるWebサービスです。体調・ごはん・体重の記録が「いつもと違う」への気づきになり、その子だけの一冊の本になっていきます。記録は無料・何頭でも登録できます。

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この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬・愛猫に気になる症状があるときは、かかりつけの動物病院にご相談ください。